医療従事者の不安を解消するために

介護現場では医療従事者の協力も欠かせませんが、医療従事者のメンタルヘルスケア自体も重要視されるようになってきています。全国的にうつなどの精神疾患の報告数が増加していますが、医師や看護師などの医療従事者によるうつも同様の傾向を見せており、最悪の場合自殺に至るケースもあります。原因としては、医師や看護師不足による身体的・精神的な負担増、医療ミスや患者とのコミュニケーションへの不安などが挙げられます。特に老人保健施設などの介護現場に所属している場合は、他の職種の人々と連携しながら様々な利用者へ対応していく必要があり、必要とされるコミュニケーションが多様です。

このような環境で、メンタルヘルスの維持向上を目指すには、何よりストレスの除去が重要です。ストレスには、人間関係や自己の能力と仕事内容とのギャップ、個人的な問題などの原因があります。まずはストレスがどこから来ているのかを自覚し、対処方法を考えましょう。自分1人ではどうしようもない場合は、職場の仲間に相談したり、外部でカウンセリングを受けるなどがおすすめです。外部機関へ訪れる時間がとれない場合は、自治体の産業保険推進センターを始め、多くの無料相談電話が用意されています。

抱え込まずに悩みを打ち明け対処していくことで、医師や看護師にとっても利用者にとってもより良い関係構築を目指すことができるでしょう。周囲のスタッフも、医師や看護師でも精神疾患になる可能性があることを理解しておくことが求められます。